夜に爪を切ると親の死に目にあえないという言い伝えがあります。
そもそも昔の日本には近しい人が亡くなったときに自分の髪の毛や爪を一緒に埋葬する風習がありました。
このことから、爪を切るという行為そのものが縁起の悪いものだとされていたのです。
さらに夜は悪霊のはびこる時間であるということもあり、夜に爪を切ってはいけないとされたようです。
また昔は電気もなくろうそくや行灯の薄暗い灯りで爪を切ると指を傷つける恐れがあることから、それを戒めるためにこういった言い伝えができたのです。
夜に爪を切ると親の死に目にあえないという言い伝えがあります。
そもそも昔の日本には近しい人が亡くなったときに自分の髪の毛や爪を一緒に埋葬する風習がありました。
このことから、爪を切るという行為そのものが縁起の悪いものだとされていたのです。
さらに夜は悪霊のはびこる時間であるということもあり、夜に爪を切ってはいけないとされたようです。
また昔は電気もなくろうそくや行灯の薄暗い灯りで爪を切ると指を傷つける恐れがあることから、それを戒めるためにこういった言い伝えができたのです。
一緒に食べると身体を悪くするといった「食べ合わせ」にもさまざまなものがあります。
ウナギと梅干し、天ぷらとスイカなどがよく知られていますが、これも科学的な根拠はありません。
梅干しは食欲を増進することからウナギなどの脂っこい食べ物の摂り過ぎを防ぐ意味合いがあるのではないか、また天ぷらのような熱いものとスイカのような冷たいものを一緒に食べると胃腸に良くないということからこの言い伝えができたのではないかとも考えられます。
冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかないともいわれます。
昔は今のように一年中野菜が取れませんでした。
長く保存が利きカロテンやビタミン、食物繊維などの豊富なかぼちゃは、冬の野菜の少ない時季に野菜不足を補うのにもってこいだったからだと考えられます。
飲み物や食べ物に関する古くからの言い伝えや風習には根拠や科学的証拠などのないものも数多く存在します。
しかしその一方、科学が発達した現代においてその事実の正確さが証明されたものも少なくありません。
科学的知識のなかった昔の人は自分たちの実体験からそれらの結果を導き出していたと考えられますが、まったく驚く限りです。
たとえば、酢を飲むと身体が柔らかくなるという言い伝えがあります。
元々は酢の物の中に入っているちりめんじゃこが普段よりも柔らかくなったことから、酢は骨を柔らかくすると考えられそういった言い伝えが生まれたとされています。
昔はサーカスの曲芸師が芸をする前に酢を飲んでいたという話もあるほどです。
けれども、酢を飲むと骨が柔らかくなるという事実は科学では証明できていません。
ただ、疲労やストレスによって生じた乳酸が靭帯や筋肉などに溜まることで身体の柔軟性が損なわれてしまうのですが、酢を飲むことで乳酸が分解されるので柔軟性が取り戻せるという点は解明されています。
宵越しのお茶つまり一番置いたお茶は飲んではいけないという言い伝えがあります。
お茶は昔から日常的に飲まれてきましたが、最近は特に健康に対してのその効能が注目されています。
その理由というのが茶葉に含まれるカフェインやカテキンといった成分で、これらが身体に良いとされているのです。
しかし、一度お湯を入れて時間の経ったお茶、つまり翌日のお茶は身体に害を及ぼすというのです。
この場合のお茶とは茶葉を指し、茶葉の中にはタンパク質が多く含まれており、それが腐敗する可能性があるからなのです。
さらに。カテキンは酸化して胃に悪い成分に変化することもあるというわけです。
人々は実際にそれを体験したからこそ、言い伝えとして皆に知らしめようとしたのでしょう。
他人の家で食事を頂いている時にご飯のお代わりをする場合は、茶碗に少しのご飯を残してお代わりをするのがよいといわれます。
これは、ご飯を少し残すことでその家との縁が切れていないことを相手に示すためというのが理由なのです。
雑巾で顔を拭くとあがらないという言い伝えもあります。
人前に出るとどうしてもあがってしまうという人も少なくないでしょう。
でもなぜ雑巾で顔を拭くとあがるのを抑えられるのかというと、その行為が非常に恥ずかしいものだからです。
雑巾という汚いもので顔を拭くという自分の誇りや恥を捨てたような状況に自らを追い込むことで、あがるという感覚さえなくしてしまおうというものなのです。
とはいえ、これはあまりオススメできる言い伝えではないかもしれませんね。
「トイレをきれいにすると美人が生まれる」という言い伝えもあります。
以前「トイレの神様」という歌がヒットしましたが、昔からトイレ(昔は厠と呼んでいた)には厠神といわれる家を守る神様が宿っているとされていました。
厠神は出産を司る神様でもあったので、妊婦がその神様のいる場所であるトイレをきれいに掃除すると神様が喜んで、かわいい美人な子どもを授けてくれると考えたのです。
こういった迷信の一方で、妊婦も適度な運動が必要、それならトイレ掃除くらいが最適であるという現実的な考え方もあります。
日本に昔から伝わる迷信や言い伝えは、生活に根付いたものが多いといえます。
それらから先人の思いや考え方を知るのは、日本人そのものの思想や意識を知ることにも繋がり非常に興味深いものです。
洗濯物を夜に干すのは縁起が悪いといわれますが、これは死者の着物は死んだ後もずっと干しておくという風習が昔にあったことが理由と考えられます。
なぜ長い間干しておくのかというと、着物にはその持ち主の霊が宿っているのでいつかまたこの世に帰ってくるかもしれないという遺族の切ない思いがあったからでしょう。
その後、霊や死者を想像させることからこのような言い伝えができたと思われます。
この言い伝えは理に適っており、夜に洗濯物を干すと虫がついたり夜露にあたって却って湿ってしまったり、盗まれる可能性もないとはいえないことから、それらを避けるためでもあるといえます。
「箒を逆さまに立てると客が帰る」という言い伝えがあります。
今では掃除に箒を使うことも少なくなりましたが、昔は箒は神様が宿る神聖な道具であったのです。
はじめて箒が作られた当初は、掃く部分は稲わらが使用されていました。
日本人にとって稲は主食である米ができる大切なもの、それを一部分に使う箒もまた、特別な力を秘めているとされたのです。
したがって、招いていない客や長居をしてもらいたくない客を早く返して欲しいと、箒を逆さまに立てて神様に合図を送ったのです。
「夜中にお金を数えてはいけない」とよくいいます。
紙幣ができたのは明治時代以降で、それまではお金は金属製でしたからお金を数えるとどうしても音が発生します。
ですから今よりも静かな当時、特に夜にお金を数えていると結構屋外にまで聞こえたようで、それを聞きつけた泥棒や強盗がやってくるかもしれないということからこのような言い伝えができたようです。
「仕付け糸をつけたままの着物を着ると死ぬ」という言い伝えもよく聞きます。
昔、死人に着せるための白い経帷子は親族や近所の女性がさらしを縫って作りました。
その際に縫った後は糸止めをせず、仕付け糸もついたままでした。
このことから仕付け糸がついたままの着物は経帷子を連想させるので、このような言い伝えで戒めたものと考えられます。
「手振り水を掛けられると死ぬ」という言い伝えもあります。
手振り水とは、手を洗った後に手拭いなどで拭かずに手を振って水を払い飛ばすことです。
昔は死んだ人に手で汲んだ水を掛けて甦らすという風習があったことから、それを連想させるため縁起が悪いと考えられるようになったのでしょう。
七草粥を食べると一年無病息災になるという風習があります。
七草粥を食べるのは旧暦の1月7日です。
この頃は冬も峠を越して植物が新しく目をふきはじめる頃でもあります。
野菜の少ない冬に旬の七草の新芽は非常に貴重であり且つ栄養素も高く新鮮だったので、それらを食べることで健康に繋がるというわけです。
初物を食べると寿命が延びるという言い伝えもあります。
現在でこそ技術の発展や輸送手段の発達で一年中豊富な食べ物が手に入りますが、昔は季節季節の食べ物を大切にしていました。
昔の人はあまり娯楽もなかったので食事は大きな楽しみでしたし、特に旬の食べ物を食べるのはひとつの喜びでもあったのです。
そして、初物には生命力が溢れているのでそれを食べることで長生きできると考えたのです。
今では、ビニールハウスなどで栽培された季節外れの野菜や果物を食べるよりしっかりと太陽の光を浴びた旬の野菜や果物の方が栄養価が断然高いことが証明されています。