カテゴリー: 生死に関する迷信

「死」というのは忌み嫌うべきものです

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「夜中にお金を数えてはいけない」とよくいいます。
紙幣ができたのは明治時代以降で、それまではお金は金属製でしたからお金を数えるとどうしても音が発生します。
ですから今よりも静かな当時、特に夜にお金を数えていると結構屋外にまで聞こえたようで、それを聞きつけた泥棒や強盗がやってくるかもしれないということからこのような言い伝えができたようです。
「仕付け糸をつけたままの着物を着ると死ぬ」という言い伝えもよく聞きます。
昔、死人に着せるための白い経帷子は親族や近所の女性がさらしを縫って作りました。
その際に縫った後は糸止めをせず、仕付け糸もついたままでした。
このことから仕付け糸がついたままの着物は経帷子を連想させるので、このような言い伝えで戒めたものと考えられます。
「手振り水を掛けられると死ぬ」という言い伝えもあります。
手振り水とは、手を洗った後に手拭いなどで拭かずに手を振って水を払い飛ばすことです。
昔は死んだ人に手で汲んだ水を掛けて甦らすという風習があったことから、それを連想させるため縁起が悪いと考えられるようになったのでしょう。

暮らしに結びついた言い伝え

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年明けに掃除をしてはいけないといわれます。
これは年が明けた当日、つまり元旦に掃除をするなという言い伝えです。
その理由として、元旦は福の神が家にやってきて家中のいろいろなところに宿るので、掃除をしてしまうとそれらの福の神を追い出すことになるというのです。
福の神がやってくるかどうかという話はさておき、掃除は大晦日までにしっかり終わらせて元旦くらいはゆっくり過ごす余裕を持つべきであるということから、このような言い伝えがあるのでしょう。
次に、大晦日に早く寝ると白髪が増えるといいます。
一年を無事過ごせたことに感謝して、その営みを新年に持ち越すことが新たな幸せな一年の始まりであると考えることから、このような言い伝えがあると考えられます。
白髪は老いであり、老いは死につながるのでこのように言ったのでしょう。
節分に豆を食べるのも、ちゃんと意味があります。
旧暦の正月にあたる節分に豆を撒くのは鬼に見立てた悪霊を追い出すためですが、豆を歳の数だけ食べるのにも意味があります。
昔の日本では豆は霊のパワーの宿る食べ物とされていました。
その豆を食べることで、自分の身体の中に霊のパワーを貯めて新しい一年を迎えるという理由があるのです。
茶柱が立つと幸運がおとづれるといいます。
これは、「古事記」で大国主命が宮殿を建てたときを起源として、柱は幸運の象徴となったからです。
普段はお茶を入れたときに茶柱が急須から出ることはないのにもかかわらず出てきた、それも沈むことなく浮いたという珍しさを幸運の象徴である柱と結び付けたのです。